Am J Neuroradiol
2000; 21: 485-8
BACKGROUND AND PURPOSE:
Rathke嚢胞はしばしば放射線学的検査でその他のトルコ鞍内腫瘤やトルコ鞍上腫瘤の鑑別が困難となることがある. 本研究は嚢胞内結節の意義について記載し, MRIにおけるRathke嚢胞発見の診断的特徴について記載することが目的である.
METHODS:
病理診断後にRathke嚢胞と診断された13人の患者についてMRIを後方視的に再検討した. 患者は非造影および造影T1およびT2強調軸位断, 冠状断スピンエコーシーケンスで撮像された. T1強調像およびT2強調像における嚢胞内結節の信号強度と頻度について分析した. 結節の信号強度は白質や周囲の嚢胞内容液の信号と比較した. 嚢胞内結節の生化学的, 病理学的分析を2例で行った.
RESULTS:
T1強調像で高信号, T2強調像で低信号の嚢胞内結節が10例(77%)で観察された. 手術時, 嚢胞内結節は黄色でろう質の固形腫瘤であった. 嚢胞内結節の生化学的分析では主な構成物がコレステロールと蛋白質であることが示された. 嚢胞内結節を伴うRathke嚢胞では, 嚢胞内容液はT1強調像において結節の信号と比較して低信号から等信号を示し, T2強調像においては等信号から強信号であることが明らかにされた. 嚢胞内結節はT2強調像ではっきりとみることができた.
CONCLUSION:
MRIにおいてRathke嚢胞の内容液は様々な信号強度を示すため, MRI信号強度値のみに基づいて特異的な診断をすることはしばしば困難である. MRIにおいて特徴的な信号強度を有する嚢胞内結節の存在はRathke嚢胞の診断の指標となるかもしれない.
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