2014年1月4日土曜日

軽症ロタウイルス胃腸炎に関連した熱性痙攣および無熱性痙攣の比較

Seizure 2013; 22(7): 560-4

Abstract
PURPOSE:
 小児集団における軽症ロタウイルス胃腸炎(RVGE)に関連した熱性痙攣と無熱性痙攣の相違点を見いだす事が目的である.

METHOD:
 19997月から20116月までの期間でRVGEにより入院した小児患者の診療記録を
後方視的に再検討した. 患者は最終的に3郡に分けられた; ‘無痙攣’(NS; 痙攣のなかった患者), ‘熱性痙攣’(FS: 痙攣時に発熱を伴った患者), ‘’無熱性痙攣’(AFS: 痙攣時に発熱のなかった患者). いずれの群において, 個体群統計学, 臨床的特徴, 臨床検査結果, 脳波所見, MRI所見, 抗痙攣薬, 予後について比較を行った.

RESULTS:
 軽症ロタウイルス胃腸炎で入院した755人のうち, 696(90.3%)は痙攣を起こさず, 17(2.2%)で熱性痙攣, 42(5.5%)で無熱性痙攣を起こした. 痙攣発症前の消化器症状のあった期間はAFS群と比べてFS群で有意に短かった(1.3±0.8 vs. 2.8±1.0; p<0.0001). 単一の痙攣発作はAFS群で有意に多く(3.0±1.6 vs. 1.7±1.0エピソード; p=0.0003), 二次性全般化の有無の有無を問わない局所型痙攣の頻度はAFS群で有意に高かった(33.3% vs. 6.0%; p=0.0139). FS群とAFS群の患者では退院後にさらなる抗痙攣薬を投与された患者はおらず, 経過観察期間中にてんかんを発症した患者もいなかった.

CONCLUSION:

 痙攣の特徴にといていくつかの相違はあったが, 軽症RVGEに関連した熱性痙攣と無熱性痙攣は予後良好なほとんど良性な疾患であった.

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