2014年4月30日水曜日

熱性痙攣の再発は間欠的経口レベチラセタムにより減少した

熱性痙攣再発は減少するかもしれませんが, 発熱のエピソードのたびに2週間内服させるのも大変なように思えます.


Febrile seizure recurrence reduced by intermittent oral levetiracetam
Annals of Clinical and Translational Neurology 2014; 1(3): 171-9

Abstract
Objective:
 熱性痙攣(FS)は最も多い小児けいれん発作性疾患のタイプである. FSは恐らく世界中の救急外来へ受診する最も高頻度の原因の1つであるかもしれない. 我々はFS再発予防のための新たな安全で効果的な治療を特定する事が目的である.

Methods:
 FS2回以上のエピソードの既往のある小児115人をレベチラセタム(LEV)群と対照群(LEV/対照比 = 2:1)に無作為に割り付けた. 発熱が生じた際にLEV群は経口的に1週間15-30mg/kg/day 12回投与で投与した. その後2週目で完全に中止するまで徐々に投与量を減量した. 主要な効果変数は48週の経過観察中の発熱イベントに関連したけいれん発作の頻度とFSの再発率(RR)である. 二次転帰は2群の費用対効果であった.

Results:
 intention-to-treat分析ではLEV群では78人の小児が148回の発熱エピソードを経験したことが示された. 78人中11人が15回の再発を経験した. 対照群では37人が64回の発熱エピソードを経験した; 37人中19人が32回の再発を経験した. 2群間でFS RRおよびFS再発/発熱エピソードにおいて有意差が認められた. FS再発予防のためのLEV群の費用は対照群よりも低かった. 48週間の経過観察期間中, LEV群で患者1人に重度の眠気がみられた. 同じ患者とその他の患者でその他の副作用は観察されなかった.

Interpretation:
 間欠的経口LEVFS再発を効果的に予防し, 医療資源の消耗を減らすことができる.

2014年4月29日火曜日

結節性硬化症患者における上衣下巨細胞性星細胞腫の外科的治療

Surgical Treatment of Subependymal Giant Cell Astrocytoma in Tuberous Sclerosis Complex Patients
Pediatr Neurol 2014; 50: 307-12

ABSTRACT
BACKGROUND:
 上衣下巨細胞性星細胞腫は結節性硬化症に関連した脳腫瘍である. 上衣下巨細胞性星細胞腫においては2つの治療選択肢がある: 手術もしくはmammalina target of rapamycin 阻害剤である. 上衣下巨細胞性星細胞腫手術の転帰の分析は薬物治療の恩恵を受けるかもしれない患者を特徴付けるのに有用であるかもしれない.

METHODS:
 少なくとも12か月間経過観察されている結節性硬化症患者57人での上衣下巨細胞性星細胞腫手術64例がこの研究の対象となった. 腫瘍の大きさ, 患者の年齢, TSC1もしくはTSC2遺伝子における変異, 手術の適応, 術後合併症が分析された.

RESULTS:
 手術時の患者の平均年齢は9.7歳であった. 術後の平均経過観察期間は63.7か月であった. 37 (57.8%)の腫瘍が症候性で27 (42.2%)の腫瘍が無症候性であった. TSC1変異を有する患者と比較してTSC2変異を有する患者の方が有意に若い年齢で上衣下巨細胞性星細胞腫を発症していた. 術後に4人の患者(全手術の6.2%)が死亡していた. 手術関連合併症は腫瘍の大きさが2cm未満, 2-3cm, 3-4cm, 4cmを超えるもの, および両側性の上衣下巨細胞性星細胞腫を有する患者でそれぞれ0%, 46%, 83%, 81%, 67%と報告され, 3歳未満の児で最も多かった. 最も多い合併症としては片麻痺, 水頭症, 血腫および認知機能低下が挙げられる.

CONCLUSIONS:
 我々の研究では上衣下巨細胞性星細胞腫は両側上衣下巨細胞性星細胞腫, 2cmを超える腫瘍, 3歳未満の児で有意にリスクと関連があった. 従って, 結節性硬化症患者は上衣下巨細胞性星細胞腫の発育を徹底的にスクリーニングすべきで, 選択された患者に早期治療を考慮すべきである.

2014年4月28日月曜日

難治性小児てんかんに対するメチルプレドニゾロン静注

Intravenous Methylprednisolone for Intractable Childhood Epilepsy
Pediatr Neurol 2014; 50: 334-6

ABSTRACT
BACKGROUND:
 ステロイドはinfantile spasmsなどの特定のてんかん型の治療で用いられている; しかしその他の難治性てんかんの治療での使用における研究は限られている. 我々は複数の抗てんかん薬が無効のてんかんを有する小児におけるメチルプレドニゾロン静注の経験を報告する.

METHOD:
 連続した小児のシリーズを後方視的に分析した. infantile spasmsや進行性変性もしくは代謝性疾患のある児は除外した.

RESULTS:
 2-14(平均5.3)の児17人が対象となった. 合併する認知障害や運動欠損は82%で認められた. ほとんどの児(88%)は連日発作があり, 13(76%)ではそれまでに発作重積で入院していた. てんかんは47%が特発性(原因不明)で発作は41%で混合していた. メチルプレドニゾロン静注は15mg/kg/dayで投与され, その後2-8週間(平均3週間)経口プレドニゾロンの減量を行った. 児は6-24か月(平均18か月)経過観察された. 6(35%)の児は完全に発作が消失した; しかし, それらのうち3人は後に反復性の発作を呈した. 治療後6か月で発作コントロールの改善は10(59%)で認められた. 混合した発作を有する児の方が1つの発作型を有する児よりも反応が良好な傾向があった(49% vs 31%, P = 0.02). 重大な副作用は認められず, 両親の35%は児の注意力や食欲が改善したと報告した.

CONCLUSION:

 難治性てんかんの児における追加のステロイド治療は安全であり, 短期コースで用いる場合, いくつかの児で効果的であるかもしれない.