2014年4月27日日曜日

Menkes病患者における血液と髄液での乳酸値およびピルビン酸値

乳酸値やピルビン酸値が上昇している場合でも, ミトコンドリア病や有機酸代謝異常と誤診しないように注意が必要ですね. 


Lactate and Pyruvate Levels in Blood and Cerebrospinal Fluid in Patients with Menkes Disease
J Pediatr 2014; 164: 890-4

Abstract
Objective:
 Menkes(MNK)患者における血液と髄液での乳酸(LA)とピルビン酸(PA)の値を調べることが目的である.

Study design:
 1993年から2008年の間で出生したMNKの男性患者42人の診療記録と診療記録サマリーの後方視的レビューでの全国調査が行われ, さらにそれらの患者のATP7A遺伝子の遺伝的分析をレビューした.

Results:
 これらの患者では診断時の血液と髄液におけるLAPAおよび乳酸対ピルビン酸比(L/P)が異常に高かった. 診断時の血液と髄液とではLA, PA値およびL/P比に有意差はなかった(P > .05). LA, PA, L/P比と測定時の年齢とでも相関性はなかった. 患者7人において, 血液ガス分析での検査では代謝性アシドーシスはないか, あってもわずかであった. ヒスチジン銅の皮下投与による治療中, 血液と髄液におけるLA, PA値およびL/P比は低下していた.

Conclusion:
 我々の所見はLA, PA値および, 特にL/P比はMNKの診断や管理に役立てるのに用いる事が可能であることを示唆している.

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