2014年4月29日火曜日

結節性硬化症患者における上衣下巨細胞性星細胞腫の外科的治療

Surgical Treatment of Subependymal Giant Cell Astrocytoma in Tuberous Sclerosis Complex Patients
Pediatr Neurol 2014; 50: 307-12

ABSTRACT
BACKGROUND:
 上衣下巨細胞性星細胞腫は結節性硬化症に関連した脳腫瘍である. 上衣下巨細胞性星細胞腫においては2つの治療選択肢がある: 手術もしくはmammalina target of rapamycin 阻害剤である. 上衣下巨細胞性星細胞腫手術の転帰の分析は薬物治療の恩恵を受けるかもしれない患者を特徴付けるのに有用であるかもしれない.

METHODS:
 少なくとも12か月間経過観察されている結節性硬化症患者57人での上衣下巨細胞性星細胞腫手術64例がこの研究の対象となった. 腫瘍の大きさ, 患者の年齢, TSC1もしくはTSC2遺伝子における変異, 手術の適応, 術後合併症が分析された.

RESULTS:
 手術時の患者の平均年齢は9.7歳であった. 術後の平均経過観察期間は63.7か月であった. 37 (57.8%)の腫瘍が症候性で27 (42.2%)の腫瘍が無症候性であった. TSC1変異を有する患者と比較してTSC2変異を有する患者の方が有意に若い年齢で上衣下巨細胞性星細胞腫を発症していた. 術後に4人の患者(全手術の6.2%)が死亡していた. 手術関連合併症は腫瘍の大きさが2cm未満, 2-3cm, 3-4cm, 4cmを超えるもの, および両側性の上衣下巨細胞性星細胞腫を有する患者でそれぞれ0%, 46%, 83%, 81%, 67%と報告され, 3歳未満の児で最も多かった. 最も多い合併症としては片麻痺, 水頭症, 血腫および認知機能低下が挙げられる.

CONCLUSIONS:
 我々の研究では上衣下巨細胞性星細胞腫は両側上衣下巨細胞性星細胞腫, 2cmを超える腫瘍, 3歳未満の児で有意にリスクと関連があった. 従って, 結節性硬化症患者は上衣下巨細胞性星細胞腫の発育を徹底的にスクリーニングすべきで, 選択された患者に早期治療を考慮すべきである.

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