2013年6月19日水曜日

再発性の熱性痙攣の患児の9つの危険因子における割合

Pediatr Neurol 2010; 43: 177-82

Abstract
 熱性痙攣は小児期で最も多い痙攣性疾患で, 再発する率は33%である. この研究では小児での熱性痙攣の再発の危険因子を調べることが目的である.

 この記述的, 横断的研究において, 熱性痙攣の再発に関する9つの危険因子について熱性痙攣患児259人で調査した: (1) 性別; (2) 居住地; (3) 収入レベル; (4) 熱性痙攣の家族歴; (5) てんかんの家族歴; (6) 発熱の程度; (7) 有熱期間; (8) 痙攣の型, 単純型対複雑型; (9) 痙攣発症時の年齢. これらの危険因子について, 単発の熱性痙攣患児119(全体の45.9%)2回以上の再発性の熱性痙攣患児140(54.1%)とで比較した.


 再発性熱性痙攣患児および単発の熱性痙攣患児で, 非都市部に住んでいる割合はそれぞれ32%, 18%であった(P=0.012). 熱性痙攣の家族歴はそれぞれ57%, 44%でみられた(P=0.031). ロジスティック回帰分析によると, 熱性痙攣の家族歴が再発に影響する危険因子であった(P=0.018; オッズ比OR = 01.933; 95%信頼区間 CI =1.121-3.333). 我々は居住地(P=0.001)および収入(P=0.013)も再発の危険因子であることを見いだした. てんかんの家族歴は有意な危険因子ではなかった (P=0.129; OR=2.110; 95%CI = 0.804-5.539)

2013年6月18日火曜日

初回熱性痙攣で受診した小児における髄膜炎の予測因子


Pediatr Neurol 2011; 44: 35-39

Abstract
 インド人において, 初回の熱性痙攣の中での髄膜炎の発生率に関するデータは存在しない. 我々は初回の熱性痙攣で受診した生後6-18か月の小児における細菌性髄膜炎の発生率を調べ, これらの患者における細菌性髄膜炎の臨床的予測因子に関して評価を行った.

 我々は初回熱性痙攣の診断で小児救急病棟に入院した生後6-18か月の患者 497人に関して臨床情報および検査結果について分析を行った. 腰椎穿刺は199(40.04%)で施行された. 初回の熱性痙攣の患児のうちでは細菌性髄膜炎の発生率は2.4%, 単純型熱性痙攣では0.86%, 複雑型熱性痙攣では4.81%であった. 痙攣時間が30分以上, 痙攣後の傾眠の存在および神経学的欠損が髄膜炎の予測因子であり, 神経学的欠損が最も信頼性があった.これらの予測因子に関しては大規模な前向き調査で評価すべきである.

2013年6月17日月曜日

ステロイドに最初に反応するまでの期間は, 特発性ネフローゼ症候群での重要な予測因子である.


J pediatrics 2010; 156: 965-71

Objective:
 小児特発性ネフローゼ症候群(INS)での早期予測因子を同定すること.

Study design:
 INSを発症した103人の患者の後ろ向き研究で, 単施設で, すべての患者で同じ導入プロトコールを用いて治療している. 経過観察期間は最低で2年間; 平均経過観察期間は43か月である. 生存データはCox-Mantel分析で評価を行った. 的中率はROC曲線にて推定した.

Results:
 ステロイド反応までの期間の中央値は7日であった. ステロイド治療開始から寛解までの期間およびステロイド治療終了から3か月以内の再発のリスクとの間には有意な関連が見られた(P 0.001). また, 経過観察期間中に, 寛解に至るまでの期間と, 頻回再発型もしくはステロイド依存性ネフローゼ症候群を発症する危険性(P 0.001), ステロイド維持療法の処方(P 0.03), およびその他の非ステロイド薬の処方(P 0.001)にも有意な関連が見られた. 再発が見られない, もしくは頻回ではない再発が見られる患者では寛解に至るまでの期間の中央値は7日未満であった; 頻回再発型およびステロイド依存性ネフローゼ症候群の患者では7日を超えた.

Conclusion:
 INSにおいて, 発症からステロイド治療での寛解までの期間は正確な早期予測因子である.