Paediatr Child
Health 2011; 16(8): 479-484
BACKGROUND:
追加の免疫グロブリン静注(IVIG)治療に反応しない川崎病(KD)における最適な治療は未だに明確ではない.
OBJECTIVE:
追加IVIGに反応しないKD症例における静注メチルプレドニゾロンパルス(IVMP)治療の効果と安全性を前向きに評価する.
METHODS:
発症後9日以内に最初にIVIG(2g/kg/24時間)およびアセチルサリチル酸で治療を受けたKD患者が対象とした. 治療に反応しない患者は追加のIVIG(2g/kg/24時間)投与を受け, それでもまだ反応が見られない患者は3日間IVMP(30mg/kg/日)を受け, その後経口プレドニゾロン治療を受けた. 治療の反応, 心臓超音波検査所見および副作用について評価した.
RESULTS:
412のKD症例のうち74例(18.0%)で追加IVIG治療を受けた; 追加IVIG治療を受けた例のうち21例(28.4%) でIVMPとその後の経口プレドニゾロンの治療を受けた. すべての患者でIVMP等予後にすぐに解熱が得られ, 2-6週間のプレドニゾロンによる治療中, 高熱は認めなかった. 発症後4週間で, IMVPとプレドニゾロンで治療を受けた21例中2例で日本の厚生労働省と米国心臓学会の基準により冠動脈病変(CAL)と診断された; 全412例中ではそれぞれの基準において3例(0.7%), 8例(1.9%)であった. すべてのCALは発症後1年で完全に改善した. 低体温, 洞性徐脈といったIMVPの副作用は自然に改善した.
CONCLUSION:
追加IVIGに反応しないKD患者では, IVMPにより速やかに解熱が得られ, その後の経口プレドニゾロンにより発熱の再発を抑制した. IVMPおよびその後のプレドニゾロン治療は重篤な副作用がなくCALを抑制できるかもしれない.
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