2013年6月1日土曜日

追加の免疫グロブリン治療に反応しない川崎病におけるステロイドパルス療法

Paediatr Child Health 2011; 16(8): 479-484

BACKGROUND:
 追加の免疫グロブリン静注(IVIG)治療に反応しない川崎病(KD)における最適な治療は未だに明確ではない.

OBJECTIVE:
 追加IVIGに反応しないKD症例における静注メチルプレドニゾロンパルス(IVMP)治療の効果と安全性を前向きに評価する.

METHODS:
 発症後9日以内に最初にIVIG(2g/kg/24時間)およびアセチルサリチル酸で治療を受けたKD患者が対象とした. 治療に反応しない患者は追加のIVIG(2g/kg/24時間)投与を受け, それでもまだ反応が見られない患者は3日間IVMP(30mg/kg/)を受け, その後経口プレドニゾロン治療を受けた. 治療の反応, 心臓超音波検査所見および副作用について評価した.

RESULTS:
 412KD症例のうち74(18.0%)で追加IVIG治療を受けた; 追加IVIG治療を受けた例のうち21(28.4%) IVMPとその後の経口プレドニゾロンの治療を受けた. すべての患者でIVMP等予後にすぐに解熱が得られ, 2-6週間のプレドニゾロンによる治療中, 高熱は認めなかった. 発症後4週間で, IMVPとプレドニゾロンで治療を受けた21例中2例で日本の厚生労働省と米国心臓学会の基準により冠動脈病変(CAL)と診断された; 412例中ではそれぞれの基準において3(0.7%), 8(1.9%)であった. すべてのCALは発症後1年で完全に改善した. 低体温, 洞性徐脈といったIMVPの副作用は自然に改善した.

CONCLUSION:

 追加IVIGに反応しないKD患者では, IVMPにより速やかに解熱が得られ, その後の経口プレドニゾロンにより発熱の再発を抑制した. IVMPおよびその後のプレドニゾロン治療は重篤な副作用がなくCALを抑制できるかもしれない.

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