Clin Nephrol 2012;
78(1): 40-6
Abstract
AIM:
頻回再発ステロイド依存性ネフローゼ症候群(FR-SDNS)における週2回の単回経口ミゾリビン(MZB)パルス治療の効果を評価する.
METHODS:
平均年齢6.9歳(年齢幅 3.1-18.0歳)のFR-SDNS患者8人が対象となった. この研究はPhase II試験として行われた. MZBは週2回食前に単回投与され, 投与量はピーク時の血中濃度が3-5μg/ml (3.9-15.9mg/kg/日, 最大量750mg)となるように調節した. MZBパルス治療の治療効果は治療開始前後12か月における再発の頻度とプレドニゾロン(PSL)の必要量とを比較することで評価した.
RESULTS:
治療開始後の再発頻度は治療開始前と比較して有意に低下し(2.5±1.4 vs. 4.3±0.5, p<0.01), 治療開始後のプレドニゾロン(PSL)の必要量は治療開始前より少なかった(0.48±0.23 vs. 0.52±0.32mg/kg/日, 有意差はなし). しかし, シクロスポリンで治療された4人中3人では効果は見られなかった. 経過観察期間中, 治療開始後再発率が低下を示した5人中4人でPSL投与を中止できた. これらの患者におけるMZBのピークの血中濃度は再発率が減少しなかった患者3人と比較して有意に高かった(3.95±0.11 vs 3.05±0.21μg/ml, p<0.01). いずれの患者でも副作用はみられなかった.
CONCLUSION:
我々の結果により単回経口MZBパルス治療により再発率が減少するFR-SDNS小児患者がいることが示された. FR-SDNS治療においてMZBのピークの血中濃度は〜3.8-4.0μg/mlが必要かもしれない.
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