2013年6月3日月曜日

新たに発症した複雑型熱性痙攣で受診した患者への腰椎穿刺の必要性

West J Emerg Med 2013; 14: 206-11

Abstract
Introduction:
 この研究では初回の複雑型熱性痙攣で小児救急外来(ED)を受診した患者群を特徴づけ, その後の急性細菌性髄膜炎(ABM)の発生率は評価することが目的である. さらにこの研究患者の中の特定の群でABMやその他の重篤な神経疾患の危険性が低いかどうか特定する.

Methods:
 後ろ向きコホート研究にて2005年から2010年までの間で初回の複雑型熱性痙攣(CSF)EDから入院した生後6か月から5歳までの患者の診療記録について再評価を行った. 建国情報部門は患者の適正をふるいにかけて, 入院時診断および退院時診断に基づいた患者リストを作成した. 複雑型熱性痙攣や無熱性痙攣の既往歴が場合, 外傷や重篤な神経学的基礎疾患がある症例は除外した. 年齢, 性別, 近親者の病歴, 痙攣の種類, 受けた治療, および経過観察時のデータについてデータを抽出した. さらに24時間以内に短時間の痙攣が2度あった患者はこの集団での健康アウトカムの評価について分離して分析を行った.

Results:
 適格な患者は193人いた. 腰椎穿刺は136件施行されていた; 局所性痙攣, 熱性痙攣重積もしくは挿管を必要とした患者で有意に多く行われていた. 14人の患者で髄液細胞増加とその後の白血球数改善が見られ, ABM診断された患者は1人であった(0.5% [95%信頼区間: 0.0-1.5, n=193]). 43人の患者が24時間以内に2回の短時間の痙攣を起こしていた. 43人中17人がEDにて腰椎穿刺を受けていた. これらのなかでABMやその他の重篤な神経疾患と診断された患者はいなかった.

Conclusion:
 複雑型熱性痙攣で受診した患者においてABMは稀であった. 24時間以内に2回の短時間の熱性痙攣をきたしたのみの患者ではABMは少ない可能性があり, その他の神経疾患の臨床症候がない場合には腰椎穿刺は必要ないかもしれない.

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