J Pediatr 2013;
163: 1147-51
Objective
初回熱性痙攣(FS)をきたした児のうちでの, 初回熱性痙攣重積(FSE)の発症における危険因子について確認することが目的である.
Study design
初発FSでFSEをきたした児の症例をConsequences of Prolonged Febrile Seizures
in ChildrenおよびColumbiaコホートから抽出した. 初発の単純性FSをきたした児と, それと別にFSEではない初発の複雑型FSをきたした児をコントロールとした. 3つの
集団の家族に対して同一のアンケートを行った. MRIプロトコールおよび読影はコホート間で一致させ, 同一の臨床医が痙攣発作の現象学について評価を行った. 危険因子はロジスティック回帰を用いて分析を行った.
Result
単純型FSの児と比較してSERでは若年, 低体温, FS前に発熱に気づいていた時間が長い(1-24時間), 女性, 構造的側頭葉異常および一親等内のFSの家族歴が関連していた. その他の複雑型FSの児と比較して, FSEでは低体温とFS前に発熱に気づいていた時間が長い(1-24時間)が関連していた. ただ若年であることだけが有意なものであり, FSEではない複雑型FSの危険因子とFSEの危険因子は規模において同程度であった.
Conclusions
初発のFSの児においてFSEは低い痙攣閾値(若年および低体温)および痙攣期間の調節障害の組み合わせにより出現している. FSEの多くのエピソードが気づかれないままでいるので, FSを評価する臨床医はこれらの因子について把握しているべきである. FSEを予防するための戦略を立てるのにはさらなる検査が必要である.