2013年9月6日金曜日

乳児のBabkin反射: 臨床的意義と神経メカニズム

Pediatr neurol 2013; 49(3): 149-155

ABSTRACT
BACKGROUND:
 Babkin反射に関する研究は非常に少ない―Babkin反射は手掌の刺激に反応して口を開けて腕が屈曲するものである. 我々はシステマティックレビューにより反射の臨床的意義と神経メカニズムについて明らかにすることを試みた.

METHODS:
 20128月から開始しMedline, EmbaseおよびGoogle Scholarを用いて調査を行った.

RESULTS:
 正期産児ではBabkin反射は出生児より誘発され, 年齢とともに抑制されるようになり, ほとんどは生後5か月の終わりまでに消失する. 生後4, 5か月での著明な反射や生後5か月を過ぎても反射が持続するのは一般的に異常とみなされる. その一方で, 新生児期や乳児早期でも反射の見られない健常児もいるので, この期間で反射がないことは異常所見とする必要はない.

CONCLUSIONS:

 異常所見を有する乳児に対しては脳性麻痺や精神発達遅滞といった神経学的異常の出現について注意深く観察すべきである. Babkin反射は非1次運動皮質からのインプットを受け取る脳幹網様体により介在されていると思われる. -口反射に基づいて, 網様体での反射メカニズムを上回る非1次運動皮質のコントロールが増加することにより, より適切な運動が発達する. すぐに, 1次運動皮質を上回る前頭前皮質のコントロールが優位となることで, 食事摂取に必要な自発的な眼--口の協調運動が生じる.

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