J Pediatr 2013;
162: 850-6
Objective
20人の抗N-メチル-D-アスパラギン酸塩受容体(NMDAR)脳炎の小児患者の臨床的特徴を報告する.
Study design
スペインの単施設にて最近4年間での臨床的データ, 長期間の経過観察, および免疫学的検査を再評価した.
Results
患者の平均年齢は13歳(年齢幅, 生後8か月-18歳)で, 70%は女性であった. 12人の患者(60%)では初発症状は神経学的症状で, ジスキネジアや痙攣発作が多く, またその他の40%は精神症状であった. 発症から1か月で, すべての患者で不随意運動や行動変化, 言動変化がみられた. 全ての患者でステロイド, 免疫グロブリン静注もしくは血漿交換治療を受け, 7人はリツキシマブもしくはシクロホスファミドの投与を受けた. 平均17.5か月の経過観察で, 85%は大部分が改善し, 10%は中等度もしく重度の障害が残り, 1人は亡くなった. 3人の患者では抗NMDAR脳炎として矛盾のないエピソードが過去にあり, そのうち2人では診断後も更なる再発を認めた. 卵巣奇形種は2人の患者でみられ, 1人は脳炎発症時, 1人は1年後に見つけられた. 2つのあたらしい所見(それぞれ1人ずつの患者)としては, この疾患に特徴的と考えられる脳波検査所見(“極端なdelta brush”)および単純ヘルペス脳炎後の舞踏病アテトーゼとして抗NMDAR脳炎を発症したことである.
Conclusion
小児抗NMDAR脳炎の初発症状は成人とは異なり(小児ではより神経症状が多く, 精神症状が少ない), 1つの症状を呈する疾患として発症することは極めて稀(再発時を除いて)で, 多くの患者は治療に反応する. 我々の研究では単純ヘルペス脳炎後の舞踏病アテトーゼと抗NMDAR脳炎との関連が考えられた.
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