Pediatr Nephrol
2012; 27(12): 2261-7
Abstract
BACKGROUND:
低ナトリウム血症は臨床場面で最も多くみられる電解質異常であるが, 有熱性尿路感染症(UTI)と低ナトリウム血症の関連性やその臨床的転帰における意義についてはあまり知られていない.
METHODS:
2000年から2010年までの有熱性UTIをきたした小児140人のデータを後方視的に分析した. 臨床検査[白血球(WBC)数, 赤沈値(ESR), C反応性半白(CRP), 血清ナトリウム値], 腎超音波検査, (99m)テクネシウム-ジメチルカプトコハク酸(DMSA)シンチグラフィ, 排尿時膀胱尿道撮影を行った. カテーテルで得た尿検体での単回細菌培養で50000コロニー以上, もしくは2度のクリーンキャッチ検体での細菌培養で10000コロニー以上の発育でUTIと診断確定の必要条件とした
RESULTS:
DMSAシンチグラフィ後に腎皮質欠損と診断された児(group 1)で腎皮質欠損のない児(group 2)と比較して発熱の期間が有意に長く(P = 0.038), WBC(P = 0.047), CRP(P <
0.0001)値が有意に高かった. しかし, 血清ナトリウム値はgroup 1の方がgroup 2より有意に低かった(135.9±2.4 対 137.4±2.7mEq/L, P =0.007). 低ナトリウム血症(血清ナトリウム<135mEq/L)もgroup 1の方がgroup 2よりも頻度が高かった(74.1% 対 45.3%, P = 0.012). 血清ナトリウム値はWBC数(r = -0.156, P = 0,011)およびCRP値(r = -0.160, P = 0.028)と反比例していた.
CONCLUSIONS:
我々の研究では低ナトリウム血症は十分な炎症マーカーであるかもしれず, 有熱性UTI罹患児における炎症の程度と有意にかつ独立して関連しているかもしれない.
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