2014年1月23日木曜日

小児高血圧に対するエナラプリルの効果と安全性に関する二重盲検プラセボ比較用量反応性試験

J Clin Pharmacol 2002; 42(8): 870-80

Abstract
 小児高血圧の治療に広く用いられているものの, エナラプリルは小児集団における効果, 用量反応性, 安全性をはっきりするためのシステマティックな試験は行われていない.

 この試験では6-16歳の小児高血圧患者110人に対して2つの連続相で前方視的に行われた. 本研究の両相の第1転帰変数はトラフ時(投与後24時間)座位拡張時血圧であった. 本試験の第1相の第1の目的はエナラプリルが小児において用量依存的に血圧を低下するかどうかを決定することであった. 2週間の二重盲検ランダム化用量依存期間で患者は体重により層別化され(50kg未満もしくは50kg以上), 以下の3つの投与量群に1つに割り当てられた: 低用量(0.625もしくは1.25mg), 中等量(2.5mgもしくは5mg), 高用量(20mgもしくは40mg). 血圧の低下は用量比(1:4:32)の機能として, 体重調節基準に基づいて検査した. 本研究の用量依存相の完了で2週経過したところで, 二重盲検ランダム化でエナラプリルあるいはプラセボのいずれかを中止した. プラセボ群とエナラプリル群の間の座位拡張期血圧における相違と定義した降圧効果について調べた. 本研究を通して副作用について注意深く記録した.

 エナラプリルにおける用量依存性の関係は負の傾きであり, 選択した投与量幅で線状であり, 高用量エナラプリルは血圧をより強力に低下させることが示唆された. ランダム化した有効薬かプラセボの中止により中等量から高用量群でのエナラプリルの降圧効果が確認された. エナラプリルの降圧効果は年齢, 性別, 民族, Tanner stageを通じて保たれていた。. エナラプリルは効果的であるように思われ, 概して6-16歳の小児では耐容性良好な降圧薬であった.


 体重が50kg未満の児では2.5mg, 体重50kg以上の児では5mg(平均 = 0.08mg/kg)を初期投与量として11回投与するとほとんどの患者で2週間以内に効果的に血圧を低下させる. 血圧は用量依存的に低下し, 高用量ではより強力に低下する.

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