2014年1月23日木曜日

疑わしい急性虫垂炎に対するクリニカルパスの前方視的評価

 急性虫垂炎の診断は常に課題となるところですが, 放射線曝露を減らしつつ十分な精度を保って診断を行うことは重要だと思います。


Pediatrics 2014; 133: e88-95

Abstract
OBJECTIVE:
 SamuelPediatric appendicitis score(PAS)と第1の画像検査として選択的な超音波検査の使用を組み合わせた, 疑わしい急性虫垂炎に対するクリニカルパスの診断的精度を評価することが目的である.

METHODS:
 前方視的観察コホート研究が都市部の大学の小児救急外来で行われた. 初期評価後, 患者の虫垂炎の危険度を軽度(PAS 1-3), 中等度(PAS 4-7), 高度(PAS 8-10)のいずれかに決定した. 低リスク患者では電話での経過観察として帰宅した. 高リスク患者は速やかに外科コンサルトを受けた. 虫垂炎の中リスク患者では超音波検査が施行された.

RESULTS:
 登録された患者196人のうち65(33.2%)で虫垂炎があった. 最初のPAS1-344(22.4%), 4-7119(60.7%), 8-1033(16.9%)であった. 超音波検査は128(65.3%)で施行され, 48(37.8%)が陽性であった. 腹部CTスキャンは外科コンサルトによる求めで13(6.6%)に施行された. 虫垂切除で虫垂炎がなかった割合は3/68(4.4%)であった. 経過観察は196人中190(96.9%)でなされた. このパスでの全体の診断精度は94%(95%信頼区間[CI]91%-97%)で感度92.3%(95%Ci 83.0%-97.5%), 特異度94.7%(95%CI 89.3%-97.8%), 陽性尤度比 17.3 (95%CI 8.4-35.6), 陰性尤度比 0.08 (95%CI 0.04-0.19)
であった.

CONCLUSIONS:
 我々のプロトコールは小児の虫垂炎の診断において高い感度と特異度を示した. 施設は小児USにおける専門知識が利用できる割合を高めるための援助への投資を考慮すべきである. 治療の標準かはCTスキャンの使用に関連した放射線曝露を減らせるかもしれない.


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