J Pediatr (Rio J)
2007; 83(3): 259-66
Abstract
OBJECTIVES:
Henoch-Schönlein紫斑病の小児および思春期患者における腎障害の初期の予測因子を特定することが目的である.
METHODS:
我々の大学で21年間にHenoch-Schönlein紫斑病と診断され入院した患者142人の診療記録について再検討を行った. 初期の予測因子として, 最初の3か月の経過での以下のものについて評価を行った: 地理的情報, 臨床症状(持続する浸潤を触れる紫斑, 関節炎, 腹痛, 強い腹痛, 消化管出血, 精巣炎, 中秋神経症状, 肺出血), 臨床検査(血清IgA値)および行われた治療(コルチコステロイド, 免疫グロブリン静注, 免疫抑制剤). 患者を2群(腎炎の有無)に分け, 単変量解析と単変量解析にて評価を行った.
RESULTS:
70人(49.3%)で腎炎を認めた. 単変量解析では強い腹痛(p=0.0049; OR=1.6; 95%CI 1.18-2.21), 消化管出血(p=0.004, OR=1.6; 95%CI 1.10-2.26)およびコルチコステロイドの投与(p=0.0012, OR=1.7; 95%CI 1.28-2.40)がすべて腎障害の発生率上昇と関連があることが明らかとなった. 多変量解析ではロジスティック回帰にて, 腎炎予測における独立変数としては激しい腹痛(p<0.012, OR=2.593; 95%CI 1.234-5.452)のみであったことが示された.
CONCLUSIONS:
強い腹痛がHenoch-Schönlein紫斑病性腎炎の有意な危険因子であった. 結局のところ, 強い腹痛のある小児患者では腎障害のリスク増大のため厳密にモニタリングすべきである.
0 件のコメント:
コメントを投稿