2013年7月11日木曜日

中国人乳児における軽症胃腸炎に伴う良性痙攣の臨床的特徴

World J Pediatr 2013; 9(1): 73-5

Abstract
BACKGROUND:
 乳児の軽症胃腸炎の経過中に良性痙攣が起こる. この疾患は現在多くの国で他とは異なる臨床的存在であると認識されている. しかし, 中国での発生は中国人小児科医には広く認識されていない.

METHODS:
 200411日から20091231日までに痙攣した48人の患者で後ろ向き研究が行われた.

RESULTS:
 患者のうち34(70.83%)は胃腸炎の発症年齢は生後13か月から24か月であった. 痙攣エピソードの発生は秋/冬がピーク(75%)であった. 痙攣のほとんどは胃腸炎発症から5日以内に起こり, 特に3日以内で多く, ピークは2病日目(39.58%)であった. 35(72.92%)のは群発痙攣であった. ほとんどの痙攣は左右対称, 全身性の強直間代性痙攣(83.33%)で痙攣は短時(93.73%)間であった. 19(39.58%)の患者において, 痙攣は疼痛と啼泣の両者, あるいはどちらか一方で誘発された. 便培養では39人中21(53.83%)でロタウイルスが陽性であった. 20(20/41, 48.78%)では単回の抗痙攣薬投与後も痙攣が群発した. 19人中5(26.32%)2種類の抗痙攣薬投与後も痙攣が持続した. 精神運動発達はすべての患者で正常であった.

CONCLUSION:

 軽症胃腸炎に伴う良性痙攣は中国では稀ではなく, ロタウイルスが主な原因である.

軽症胃腸炎に伴う痙攣では, 通常痙攣を抑制させるために用いられる薬剤(ジアゼパムやミラゾラム)では効果は乏しいことが知られています。
従って、胃腸炎の流行時期に抗痙攣薬を用いる場合には、十分に臨床的評価を行う必要がありますね。

0 件のコメント:

コメントを投稿