2013年7月9日火曜日

若年の小児での喉頭クループにおける呼吸器ウイルス

J Pediatr 2008; 152: 661-5

Objective
 より感度の高い方法を用い, 最近発見されたウイルスを含めて分析を行い, 喉頭クループでの原因となっているウイルスを調べることが目的である.

Study design
 嗄声, 吸気性喘鳴で救急外来を受診した144人の小児を登録した. 年齢および季節をマッチさせた, 喘鳴をきたす疾患で受診した児をコントロール群とした(n=76). ポリメラーゼ連鎖反応で, ライノウイルス, エンテロウイルス, コロナウイルス, RSウイルス(RSV), パラインフルエンザウイルス(PIV0, インフルエンザAおよびBウイルス, ヒトボカウイルス, ヒトメタニューモウイルス, アデノウイルス, Mycoplasma penumoniaeについて, 鼻咽頭スワブを分析した.

Results
 ウイルス感染症はクループ患者の80%, コントロール群の71%で認められた. クループ患児ではwheezeをきたしている児と比較してPIV 1および2が陽性であった割合が有意に高く(それぞれ31% 4%, 6% 0%), RSVが陽性であった割合が有意に低かった(21% 25%). インフルエンザAウイルスとヒトボカウイルスの頻度では両者に有意差はなかった. アデノウイルスやM. penumoniaeが検出された検体は少なかった.

Conclusion

 急性喉頭クループはPIV, RSV, ライノウイルス, エンテロウイルスと最もよく関連があった. ライノウイルスやエンテロウイルスはクループと喘鳴をきたす疾患の両者で等しくよくみられた. 晩秋において, 検査を行った検体のうちでそれぞれ39%, 40%でみられた.

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