2013年7月7日日曜日

Henoch-Schönlein紫斑病における腎障害および著明な蛋白尿の危険因子

Eur J Pediatr 2002, 161(4): 196-201

Abstract
 Henoch-Schönlein紫斑病(HSP)患者における腎障害と著明な蛋白尿の危険因子について, 単変量解析, 多変量解析により後ろ向きに評価を行った. HSP患者134人に対して分析を行った. 腎障害は65(49%)でみられ, 腎障害の97%は発症後3か月以内にみられた. 中等度以上の蛋白尿は25人で認められた. 単変量解析では発症時4歳以上, 消化管出血を伴った重篤な腹痛, 1か月にわたり持続する紫斑, 凝固因子XⅢ活性<80%およびXⅢ因子製剤での治療が腎障害発症と関連していた. 多変量解析では重篤な腹痛, 4歳以上および持続する紫斑が腎障害のリスクを増大させていた. 中等度以上の蛋白尿の危険因子も同様に調べた. 単変量解析では重篤な腹痛, 持続する紫斑, XⅢ因子活性の低下, ステロイド治療およびXⅢ因子での治療が危険因子であった. また多変量解析では持続する紫斑, XⅢ因子製剤での治療およびXⅢ因子活性<80%が著明な蛋白尿と関連があった. 重篤な腹痛を呈した患者のうち, 著明な蛋白尿を認めなかった患者と比較して著明な蛋白尿を認めた患者では有意にXⅢ因子活性が低かった.

CONCLUSION
 Henoch-Schönlein紫斑病の長期予後は腎障害の重症度に依存していた. 腎障害の危険因子, 特に著明な蛋白尿を有する患者ではHSP発症後から少なくとも3か月は緊密に尿検査を行うべきである.

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