2013年7月23日火曜日

小児蔓状神経線維腫: 神経線維腫症1型における罹患率と死亡率への影響

J Pediatr 2012; 160: 461-7

Abstract
Objective:
 症候性蔓状神経線維腫(PNFs)を有する小児患者における罹患率, 死亡率および手術転帰を明らかにすることが目的である.

Study design:
 Cincinnati Children’s Hospital Medical Center1997年から2007年までのPNFsを有する小児での手術歴やその他の神経線維腫症1(NF1)に関連した合併症について臨床記録からデータを後ろ向きに分析した.

Results:
 NF1およびPNFsを有する小児患者は全部で154人みつかった. 症候性PNFsを有する小児はその他のNF-1関連の腫瘍よりも頻度は高かった(P<.05). 死亡率はNF1およびPNFsを有する患者(5/154, 3.2%)では, PNFsを有さない患者や無症候性PNFsを有する患者(2/366, 0.5%; P=.024)と比較して高かった. 手術による合併症としては神経学的合併症, 美観を損なうこと, 整形学的合併症および気道合併症が最も一般的であった. 小範囲切除は二度目の手術施行までの期間が短縮することの予測因子であった(P< .0019). 最も再発頻度が高かった部位は頭部, 頸部, 胸部であった(P<.001).

Conclusions:
 これらの結果により, 症候性PNFsに関連して更なる腫瘍発生のリスクや死亡率が増大することがわかった. 外科的処置が多くの症例で必要となったが, それにより障害が加わった患者もいた. PFNsを有する患者では気道圧迫や美観が損なわれる場合を手術適応とするとより利益が得られるだろう.

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