2013年5月28日火曜日

脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N末端と川崎病における冠動脈病変のリスクおよび免疫グロブリン静注への抵抗性

J Pediatr 2013; 162: 1205-9

Objective
 血清脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N末端(NT-proBNP)が冠動脈病変(CAL)発生のリスクが高い川崎病(KD)患者を特定するだけでなく, 免疫グロブリン静注(IVIG)に対する抵抗性を予測するのに有用なマーカーとなりえるかどうかを調べることが目的である.

Study design
 我々は単施設において急性期KD患者80人を登録した. 個体群データおよび臨床データ, 臨床検査データについて前向きに収集した

Results
 IVIGを行ったのにも関わらず, 80人中19人でCAL形成を認めた. CALを認めなかった患者と比較してCAL形成した患者では有意にNT-proBNPが高かった. CALの予測において, NT-proBNPのカットオフ値1300pg/mLで感度 95%, 特異度 85%であった. しかし, 80人中17人はIVIG非応答者であった. IVIG応答者と比べて, IVIG不応者では有意に血清NT-proBNP値が高かった. IVIG不応者の予測において, NT-proBNPのカットオツ値800pg/mLで感度71%, 特異度62%であった.

Conclusions

 CAL形成を認めたりIVIG抵抗性を示したりするKDでは血清NT-proBNPが上昇している. 川崎病におけるCAL形成やIVIG抵抗性の予測に有効であるかもしれない.

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