2013年5月24日金曜日

川崎病とその後の起こるアレルギー疾患のリスク: 地域住民に基づいてマッチさせたコホート研究


BMC Pediatr 2013; 13: 38

Abstract
Background:
 一般集団と比較した川崎病患者におけるアレルギー疾患のリスクについては知られていない. この研究では世界で3番目に川崎病の発生率が高い国である台湾で, 川崎病後の小児においてのアレルギー疾患のリスクを調べるために, 地域住民に基づいたコホート研究を行った.

Methods;
 データは台湾の国民健康保険研究データベースから得た. 全部で, 1997年から2005年までの期間で, 5歳以下で川崎病の診断で初めて入院した患者253人がこの研究の対象となり, 年齢と性別とをマッチさせた非川崎病患者1012人が比較コホートとして対象となった. 交絡を補正し, 2コホート間での6年間のアレルギーフリー生存率を比較するために多変量Cox比例ハザード回帰モデルを用いた.

Results:
 アレルギー疾患の発生率はコントロールコホート(1000人年あたり124.99)と比較して川崎病コホート(1000人年あたり184.66)で有意に高かった. 潜在的交絡の補正後では喘息およびアレルギー性鼻炎の補正ハザード比がそれぞれ1.51(95%信頼区間= 1.17-1.95), 1.30(95%信頼区間 = 1.04-1.62)であった.

Conclusion:
 比較コホートに比べて川崎病患者ではアレルギー性疾患のリスクは高いと我々は結論づけた.

0 件のコメント:

コメントを投稿