2013年5月13日月曜日

新生児ヘルペス感染後の経口アシクロビル抑制療法と神経発達


N Engl J Med 2011; 365:1284-92


BACKGROUND
 新生児単純ヘルペスウイルス(HSV)感染症の生存例では依然として受け入れがたいほど頻繁に, 予後不良例や皮膚病変の再発がみられる.

METHODS
 新生児HSV感染症の児を2つの並行群間二重盲検プラセボ対照試験に登録した. 1つは中枢神経系(CNS)の病変を有する児を登録し, もう一方は皮膚, , 口腔病変のみの児を登録した. 14日から21日間のアシクロビル静注投与レジメンの終了後, 速やかにアシクロビル抑制療法(300mg/m2/dose 13回経口投与 6か月間)群とプラセボ群とに無作為に割り付けた. 皮膚病変の再発には非盲検で発症時治療にて治療を行った.

RESULTS
 全部で74人の新生児が登録された. そのうち中枢神経型は45, 表在型の29人であった. 生後12か月の時点で, 中枢神経型の45人中28(62%), Bayley乳幼児発達検査の精神発達指数(点数の幅は50から150. 平均は100. 点数が高いほど神経発達のアウトカムが良好であること示す.) を用いて評価を行った. 共変量にて補正を行うと, 中枢神経型の児のうちプラセボ群に無作為に割り付けられた児と比較して, アシクロビル抑制療法群では生後12か月時でのBeyley乳幼児発達検査の平均スコアが有意に高かった(88.24 vs. 68.12 P=0.046). 全体的には, プラセボ群と比較してアシクロビル投与群では好中球減少症が多い傾向があった(P=0.09)

CONCLUSION
 新生児HSV感染症中枢神経型での生存例では経口アシクロビル6か月間の投与での抑制療法を受けると, 神経発達のアウトカムが改善した.




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