2014年2月19日水曜日

食物アレルギー増加とビタミンD: ランダム化二重盲検プラセボ対照試験

Increased food allergy and vitamin D: Randomized, double-blind, placebo-controlled trial
Pediatr Int. 2014; 56: 6-12

Abstract
Background:
 授乳中の母体のビタミンD補給が乳児湿疹やその他のその後のアレルギー性疾患を改善するかどうかを明らかにするため, ランダム化二重盲検プラセボ対照試験を行った.

Methods:
 20095月から20111月までの期間で, 1か月健診で顔面湿疹のある乳児の母親(n=164)を6週間のビタミンD3補充(n=82; 800IU/day)もしくはプラセボ(n=82)投与のいずれかに割り当てた. 一次転帰は3か月健診でのScoring Atopic Dermatitis(SCORAD) indexで定量化した乳児湿疹で, 二次転帰は2歳までに医師に診断されたアトピー性皮膚炎, 食物アレルギーおよびwheezingである.

Results:
 3か月健診でのSCORAD2群間で有意差はなかった. 2歳までに医師に診断された食物アレルギーはビタミンD投与群(10/39, 25.7%)の方がプラセボ群(3/40, 7.5%; 危険比(RR), 3.42; 95%信頼区間[CI]: 1.02-11.77; P = 0.030)より有意に多かった. その上, 少なくとも1つの二次転帰もビタミンD投与群(17/39, 43.6%)の方がプラセボ群(7/40, 17.5%; RR, 2.49; 95% CI: 1.16-5.34; P = 0.012)

Conclusions:
 ビタミンD補充は生後3か月までの乳児湿疹の重症度を低下させないかもしれないが, むしろ2歳までの後の食物アレルギー発症の危険性を高めているかもしれない. 多くの対象者が経過観察できていないため, この所見を確認するのにさらなる研究が必要である.

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