2014年2月3日月曜日

小児における5種類の一般的なウイルスと熱性痙攣の関係性

Arch Dis Child 2007; 92: 589-93

Objective:
 一般的なウイルス感染症を伴う熱性痙攣(FS)発症と, その後の再発の危険性の相対危険度(RR)を比較により, 熱性痙攣でのウイルスの役割を調べることが目的である.

Methods:
 我々は5年間での熱性痙攣で入院した児全員の診療記録と同時期にインフルエンザ, アデノウイルス, パラインフルエンザウイルス, respiratory syncytialウイルス(RSV), ロタウイルスに関連した熱性疾患で入院した児全員の診療記録を, これらのウイルス感染症罹患後のFSRRを計算するためにマッチした. 初回FSで入院した患者について再発の危険因子を特定するために, 我々はウイルス感染症の種類, 発症年齢, 家族歴, 複雑型FSの特徴およびエピソード中の最高体温について多変量解析を行った.

Results:
 FSで入院した児は923人いて, そのうち565人は初回痙攣発作であった. FSでの5つの最も多いウイルスはインフルエンザ(163/923, 17.6%), アデノウイルス(63/923, 6.8%), パラインフルエンザウイルス(55/923, 6%), RSV (25/923, 2.7%), ロタウイルス(12/923, 1.3%)であった. これらのウイルスによる熱性疾患でのFSの発生率はインフルエンザ20.8%(163/785), パラインフルエンザウイルス20.6%(55/267), アデノウイルス 18.5%(55/343), RSV 5.3%(25/468), ロタウイルス 4.3%(12/280)であった. 複雑型FS20.6%で生じ, 複雑型FS発症の危険度は5つのウイルスで同様であった. 全体の再発率は20.5%でウイルス感染症の種類により予測されなかった.

Conclusion:
 FS発症の危険性はインフルエンザ, アデノウイルス, パラインフルエンザウイルスで同様であり, RSVやロタウイルスよりも高い. ウイルス感染症の種類は複雑型や将来の再発予測には重要ではなかった.

0 件のコメント:

コメントを投稿