Pediatr Neonatol.
2011; 52(5): 272-8
Background:
好酸球性胃腸炎の小児患者における臨床的特徴や治療への反応の報告は稀である. この研究ではアジア人を背景とした小児好酸球性胃腸炎の臨床像および転帰について評価を行うことが目的である.
Methods:
1997年から2009年までで14人の台湾人患者(男児9人, 女児5人)が好酸球性胃腸炎と診断され, 平均年齢は8.3歳(年齢幅, 1.4-14.3歳)であった. 消化器症状の存在, 末梢血での好酸球増加および生検での組織学的証明により診断を確定させた. 臨床データおよび薬物治療への反応について分析を行った.
Results:
初発症状としては腹痛(43%), 貧血(36%), 低アルブミン血症(14%), 反復性の嘔吐(7%), 血便(7%), および成長障害(7%)がみられた. 末梢血好酸球増加は10人(71.4%)の患者で認められ, 潜在的な便潜血陽性は7人(50%)でみられた. 内視鏡検査では4人(28.6%))で潰瘍性病変が認められた. 治療としてはステロイド単独, モンテルカスト単独, ステロイド+モンテルカストおよびステロイド+モンテルカスト+ケトチフェンが行われていた. ステロイドで治療されていた患者のうち, 2人(2/9, 22%)は症状の再発なくステロイドの漸減に成功した. 3人(3/9, 33%)はステロイド中止後に再発し, 3人(3/9, 33%)は未だに低用量ステロイドを必要とし, 1人は追跡不能となった. モンテルカスト単独で治療された患者4人では再発はみられなかった.
Conclusions:
腹痛の有無を問わず, 高い頻度で肉眼的あるいは潜在的な消化管出血を呈していた. 内視鏡的生検は診断には必要である. ステロイドは活動性病変に対する治療の中心である: この研究においては, モンテルカストも治療として, あるいは維持療法として効果的であった.
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