2014年1月4日土曜日

小児胃腸炎関連痙攣の臨床的特徴; 発熱と血清ナトリウム値の影響

J Child Neurol. 2011; 26(11): 1397-400

Abstract

 胃腸炎関連痙攣は近年注目度が増してきている. ほとんどの症例は短時間で経過し, 非常に少ない痙攣反復のエピソードがあり, てんかんへは移行しない良性の経過をたどる. これまで出版された報告では通常発熱と無熱患者は区別されておらず, 多くの著者は無熱性痙攣のみを対象としていた. 本研究では軽症胃腸炎のエピソード中に痙攣を発症した児における発熱の影響について評価を行い, 発熱の存在が痙攣の特徴や期間に影響を与えない事がわかった. しかし, 年齢に関係なく, 低ナトリウム血症のある児ではナトリウム値正常の児と比較して痙攣が長かったため, 軽度の低ナトリウム血症はいくつかの痙攣の特徴, 特に痙攣持続時間に影響を与えていた.

小児および思春期発症の視神経脊髄炎

Pediatr Neurol 2014; 50: 66-8

ABSTRACT
BACKGROUND:
 18歳未満で発症する視神経脊髄炎は比較的稀であるが, 壊滅的な状態となる可能性がある. この研究では早期発症の症例シリーズでの視神経脊髄炎の研究に寄与する事が目的である.

PATIENTS:
 小児期および思春期に発症した視神経脊髄炎を診療しているブラジル人神経科医の診療記録からデータを収集した.

RESULTS:
 18歳未満で視神経脊髄炎を発症し, 診断基準を満たした患者は29人いた. 発症時の平均年齢は13歳で平均罹病期間は6年であった. 最後の診察時の総合障害度スケールは平均4.71人はこの疾患により死亡していた. 29人の患者は治療薬投与に関わらず, 平均4.5回再発しており, 0.75/年であった. すべての患者で以下の薬剤を1種類以上投与されていた: アザチオプリン, プレドニゾン, 免疫グロブリン, glatiramer acetate.

CONCLUSIONS:
 小児期および思春期発症の視神経脊髄炎はあまり知られていない病気であり, 多くは障害を残し管理は困難である.

小児での手根管症候群

Pediatr Neurol 2014; 50: 57-9

ABSTRACT
BACKGROUND:
 手根管症候群もしくは手首での正中神経障害は小児では稀な疾患である. 報告されている手根管症候群患者ではムコ多糖症やムコリピドーシスが最も多い原因である.

PATIENTS:
 我々は2-17歳の手根管症候群患者13人を報告する.

RESULTS:
 1人はムコ多糖症が原因であった. その他の児では正中神経の外傷, 手首の奇形, 上腕神経叢障害, 肥満, 遺伝的に圧迫麻痺を起こしやすい状態(PMP 22遺伝子欠損), 手首での正中神経障害の家族歴が認められた. すべての患者で手の痛み, しびれ, 知覚異常を呈していた. 神経伝導検査では正中神経の正中感覚神経潜時と遠位運動神経潜時の延長を示された.

CONCLUSIONS:
 小児で手根管症候群は起こり, 様々な危険因子により生じやすくなる.

2013年12月20日金曜日

紹介された患者群における心原性失神と血管迷走神経性失神の鑑別

J Pediatr 2013; 163: 1618-23

Abstract
Objective
 心原性失神と血管迷走神経性失神の特徴について確認することが目的である.

Study design:
 我々は18歳以下の血管迷走神経性失神と心原性失神患者の特徴について比較した. 血管迷走神経性失神群は1年間で循環器専門外来を受診して, 初期評価により血管迷走神経性失神と診断された患者である. 心原性の患者は10年間で失神により救急外来, もしくは循環器へ入院もしくは外来を受診し心原性の原因が特定された患者で, すでにわかっている診断の再検討により特定された患者である.

Results:
 4-18歳の血管迷走神経性失神患者89人と生後4か月から17歳の心原性失神患者17人がいた. 心原性失神と血管迷走神経性失神の患者を比較した際, 活動中の失神は65%18%(P < 0.001), 心疾患や心原性突然死の家族歴が特定されるのは41%25%(P = .2), 心原性の診断を支持する身体診察上の異常を認めるのは29%0%(P < .001), 心電図での異常所見がみつけられたのは76%0%(P < .001)であることがわかった. これら4つの特徴のうちいずれか1つを満たす心疾患のスクリーニングでは感度100%, 特異度60%であった. このスクリーニング基準を用いる事で血管迷走神経性失神患者の60%は循環器専門医には紹介されないだろうということがわかった.

Conclusions:
 心原性失神と血管迷走神経性失神は症状が劇的に異なる. 病歴での特徴, 身体所見, 心電図を用いたスクリーニング基準で更なる評価を必要とする心原性失神の患者と循環器専門医への紹介を必要としない血管迷走神経性失神の患者とを区別されるだろう.