2013年6月16日日曜日

頻回再発ステロイド依存性ネフローゼ症候群における週2回の単回経口ミゾリビンパルス治療の効果

Clin Nephrol 2012; 78(1): 40-6

Abstract
AIM:
 頻回再発ステロイド依存性ネフローゼ症候群(FR-SDNS)における週2回の単回経口ミゾリビン(MZB)パルス治療の効果を評価する.

METHODS:
 平均年齢6.9(年齢幅 3.1-18.0)FR-SDNS患者8人が対象となった. この研究はPhase II試験として行われた. MZBは週2回食前に単回投与され, 投与量はピーク時の血中濃度が3-5μg/ml (3.9-15.9mg/kg/, 最大量750mg)となるように調節した. MZBパルス治療の治療効果は治療開始前後12か月における再発の頻度とプレドニゾロン(PSL)の必要量とを比較することで評価した.

RESULTS:
 治療開始後の再発頻度は治療開始前と比較して有意に低下し(2.5±1.4 vs. 4.3±0.5, p<0.01), 治療開始後のプレドニゾロン(PSL)の必要量は治療開始前より少なかった(0.48±0.23 vs. 0.52±0.32mg/kg/, 有意差はなし). しかし, シクロスポリンで治療された4人中3人では効果は見られなかった. 経過観察期間中, 治療開始後再発率が低下を示した5人中4人でPSL投与を中止できた. これらの患者におけるMZBのピークの血中濃度は再発率が減少しなかった患者3人と比較して有意に高かった(3.95±0.11 vs 3.05±0.21μg/ml, p<0.01). いずれの患者でも副作用はみられなかった.

CONCLUSION:

 我々の結果により単回経口MZBパルス治療により再発率が減少するFR-SDNS小児患者がいることが示された. FR-SDNS治療においてMZBのピークの血中濃度は〜3.8-4.0μg/mlが必要かもしれない.

2013年6月14日金曜日

シクロスポリン投与前の小児ステロイド依存性ネフローゼ症候群における高用量ミゾリビン単回連日投与

Pediatr Nephrol 2011; 26: 479-483

Abstract
 シクロスポリン(CsA)治療は小児ステロイド依存性ネフローゼ症候群(SDNS)の管理に効果的であるが, 近年の研究でCsAの使用自体が成人期のNS再発の有意な予測因子となることが示された. 高用量ミゾリビン(MZR)単回連日投与治療の効果を, CsAの投与を受けていない10人のSDNS患者(平均年齢 6.2)で評価した. MZR 5.0mg/kg/dayを朝食後連日単回で投与し, 投与後2時間でのMZR(C2)が約3μg/mlとなるように調節した. 10人中9人で, 22か月(平均)の期間でMZR(平均投与量 8.4mg/kg/day0単回連日投与治療により, 有意に平均プレドニゾロン投与量が0.39mg/kg/dayから0.15mg/kg/dayに減少し, 平均12か月での再発率は3.0エピソード/12か月から0.4エピソード/12か月に減少した. 治療失敗により1人ではシクロホスファミドを開始したが, 観察期間(平均 33か月)CsA治療が必要となった患者はいなかった. これらのデータは小児SDNS患者に対して高用量MZR単回連日投与は有効である可能性があること, およびCsAが必要となる患者を減るかも知れないということが示された.

2013年6月4日火曜日

小児抗N-メチル-D-アスパラギン酸塩受容体脳炎―連続した20人の患者の臨床的分析と今までにない所見

J Pediatr 2013; 162: 850-6

Objective
 20人の抗N-メチル-D-アスパラギン酸塩受容体(NMDAR)脳炎の小児患者の臨床的特徴を報告する.

Study design
 スペインの単施設にて最近4年間での臨床的データ, 長期間の経過観察, および免疫学的検査を再評価した.

Results
 患者の平均年齢は13(年齢幅, 生後8か月-18), 70%は女性であった. 12人の患者(60%)では初発症状は神経学的症状で, ジスキネジアや痙攣発作が多く, またその他の40%は精神症状であった. 発症から1か月で, すべての患者で不随意運動や行動変化, 言動変化がみられた. 全ての患者でステロイド, 免疫グロブリン静注もしくは血漿交換治療を受け, 7人はリツキシマブもしくはシクロホスファミドの投与を受けた. 平均17.5か月の経過観察で, 85%は大部分が改善し, 10%は中等度もしく重度の障害が残り, 1人は亡くなった. 3人の患者では抗NMDAR脳炎として矛盾のないエピソードが過去にあり, そのうち2人では診断後も更なる再発を認めた. 卵巣奇形種は2人の患者でみられ, 1人は脳炎発症時, 1人は1年後に見つけられた. 2つのあたらしい所見(それぞれ1人ずつの患者)としては, この疾患に特徴的と考えられる脳波検査所見(“極端なdelta brush”)および単純ヘルペス脳炎後の舞踏病アテトーゼとして抗NMDAR脳炎を発症したことである.

Conclusion

 小児抗NMDAR脳炎の初発症状は成人とは異なり(小児ではより神経症状が多く, 精神症状が少ない), 1つの症状を呈する疾患として発症することは極めて稀(再発時を除いて), 多くの患者は治療に反応する. 我々の研究では単純ヘルペス脳炎後の舞踏病アテトーゼと抗NMDAR脳炎との関連が考えられた.