2013年7月7日日曜日

Henoch-Schönlein紫斑病における腎障害: 初期の予測因子における多変量解析

J Pediatr (Rio J) 2007; 83(3): 259-66

Abstract
OBJECTIVES:
 Henoch-Schönlein紫斑病の小児および思春期患者における腎障害の初期の予測因子を特定することが目的である.

METHODS:
 我々の大学で21年間にHenoch-Schönlein紫斑病と診断され入院した患者142人の診療記録について再検討を行った. 初期の予測因子として, 最初の3か月の経過での以下のものについて評価を行った: 地理的情報, 臨床症状(持続する浸潤を触れる紫斑, 関節炎, 腹痛, 強い腹痛, 消化管出血, 精巣炎, 中秋神経症状, 肺出血), 臨床検査(血清IgA)および行われた治療(コルチコステロイド, 免疫グロブリン静注, 免疫抑制剤). 患者を2(腎炎の有無)に分け, 単変量解析と単変量解析にて評価を行った.

RESULTS:
 70(49.3%)で腎炎を認めた. 単変量解析では強い腹痛(p=0.0049; OR=1.6; 95%CI 1.18-2.21), 消化管出血(p=0.004, OR=1.6; 95%CI 1.10-2.26)およびコルチコステロイドの投与(p=0.0012, OR=1.7; 95%CI 1.28-2.40)がすべて腎障害の発生率上昇と関連があることが明らかとなった. 多変量解析ではロジスティック回帰にて, 腎炎予測における独立変数としては激しい腹痛(p<0.012, OR=2.593; 95%CI 1.234-5.452)のみであったことが示された.

CONCLUSIONS:

 強い腹痛がHenoch-Schönlein紫斑病性腎炎の有意な危険因子であった. 結局のところ, 強い腹痛のある小児患者では腎障害のリスク増大のため厳密にモニタリングすべきである.

Henoch-Schönlein紫斑病における腎障害および著明な蛋白尿の危険因子

Eur J Pediatr 2002, 161(4): 196-201

Abstract
 Henoch-Schönlein紫斑病(HSP)患者における腎障害と著明な蛋白尿の危険因子について, 単変量解析, 多変量解析により後ろ向きに評価を行った. HSP患者134人に対して分析を行った. 腎障害は65(49%)でみられ, 腎障害の97%は発症後3か月以内にみられた. 中等度以上の蛋白尿は25人で認められた. 単変量解析では発症時4歳以上, 消化管出血を伴った重篤な腹痛, 1か月にわたり持続する紫斑, 凝固因子XⅢ活性<80%およびXⅢ因子製剤での治療が腎障害発症と関連していた. 多変量解析では重篤な腹痛, 4歳以上および持続する紫斑が腎障害のリスクを増大させていた. 中等度以上の蛋白尿の危険因子も同様に調べた. 単変量解析では重篤な腹痛, 持続する紫斑, XⅢ因子活性の低下, ステロイド治療およびXⅢ因子での治療が危険因子であった. また多変量解析では持続する紫斑, XⅢ因子製剤での治療およびXⅢ因子活性<80%が著明な蛋白尿と関連があった. 重篤な腹痛を呈した患者のうち, 著明な蛋白尿を認めなかった患者と比較して著明な蛋白尿を認めた患者では有意にXⅢ因子活性が低かった.

CONCLUSION
 Henoch-Schönlein紫斑病の長期予後は腎障害の重症度に依存していた. 腎障害の危険因子, 特に著明な蛋白尿を有する患者ではHSP発症後から少なくとも3か月は緊密に尿検査を行うべきである.

2013年7月4日木曜日

遺伝性出血性末梢血管拡張症: 小児における動静脈奇形

J Pediatr 2013; 163: 179-86

Objective
 遺伝的に確認された遺伝性出血性末梢血管拡張症(HHT)の小児患者を対象とした大規模なコホートにおける臨床的特徴の評価と, 臨床的意義のある動静脈奇形(AVM)発症の可能性を予測する因子を特定する.

Study design
 集学的なHHTセンターにおけるAVMsのスクリーニングを目的とする, 全患児を対象とした前向き横断研究である. すべての患児で, HHT1と定義されたendoglin変異, もしくはHH2と定義されたactivin A receptor type--like kinase 1変異のいずれかのキャリアであることが証明されている. AVM検出における最大限の臨床的-放射線学的なプロトコールを, AVMに関連した症状の有無によらず取り入れた.

Results
 44人の児(平均年齢, 10.3: 年齢幅 1-18)に対して包括的な臨床的-放射線学的な評価が行われた. 脳血管奇形が44例中7, AVM44例中20, AVM44例中23例いることが明らかになった. 巨大な内臓AVM44例中12例でみられ, HHT1患者で有意に頻度が高かった. 巨大AVMのみが症状や合併症と関連がみられた.

Conclusions

 HHT患児では高い頻度でAVMを有している: 従って, 適切な臨床的-放射線学的なスクリーニングプロトコールを実施することが賢明である. 巨大AVMは小児期における合併症と関連があるが, 小さなAVMは臨床的なリスクはないのかもしれない.